2005/04/01

今日のプレゼン

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月も変わったので、今日からは実際にプレゼンをするときについて書いていきたいと思います。

Posture, Posture, Posture

Posture は辞書で引くと姿勢とか態度という意味がのっています。プレゼンテーションをするときの発表の仕方、しぐさ、立ち方などをまとめて Posture というようです。

どうも、日本では Posture は軽視されているように思うのですが、どうですか?

  • 立ち位置を気にしたことがありますか?
  • 立ち方をどうするか
  • ポインタ
立ち位置を気にしたことがありますか?

2002 年に日本で JavaOne が開かれたのですが、そのときの基調講演のステージは 1 日目と 2 日目でずいぶん違っていました。何が違っていたと思いますが?

ヒント: 1 日目のスピーカーは Rich Green、2 日目は日本の方です。

答えはステージ中央に演台があったかどうかです。もちろん、1 日目はなかったのです。

なんで演題が必要なんでしょうね。

このときの会場はスクリーンがかなり高い位置にあって、普通に立っていても頭の影がスクリーンに映らないぐらいでした。

さて、Rich Green はどこに立ったでしょう? 彼の立ち位置はほとんどステージ中央で、かなり前の方に立っていました。

日本の方々はもちろん演台の後ろです。悪いことに、その演台はステージのかなり後ろよりにセットされていました。

比較をすると見える大きさがぜんぜん違うのです。それだけで、アピール度がぜんぜん違うのです。

また、どうしても演台があると、そこに手をついたりして姿勢が悪くなりがちです。それに PC や資料が置けるので、それを見て喋ってしまいます。

このように立ち位置だけでも、ずいぶんプレゼンの印象が違ってきてしまうのです。

立ち位置

皆さんは立ち位置を気にしたことありますか?

まずはベーシックなところから考えて見ましょう。

右図のようにスクリーンがあったときに、あなたはどこに立ちますか。演台はなく、PC を置く場所は別途用意するとしましょう。

これが絶対の正解というのはありません。ただ、原則みたいなものはあります。

まず、2 には普通は立ちませんよね。この位置だと見る人の視線をさえぎることになってしまうので NG。

残るのは 1, 3。

ここで考えるのは右利きか左利きかということと、ポインタの関係です。

もし、右利きでポインタを使う必要があるのならば、3 がいいと思います。逆に左利きならば 1 です。

理由は簡単です。

立ち位置
1 に立った場合 3 に立った場合

右利きの人だったらポインタは右手に持ちますよね。1 の場所に立った場合、右手でポインタを持つのでスクリーンを指しやすいのです。また、スクリーンを指しても、身体は前に向いたままです。もちろん、後ろ見て喋っちゃダメですよ (これについては後述します)。

逆に 3 に立つと、利き手とは反対側にスクリーンがあるので、どうしてもスクリーンを指すときに身体がねじれてしまいます。そうすると、指しにくいし、身体が正面を向きにくくなってしまいます。

ということで、ポインタを使うのであれば、利き腕がスクリーンに近いほうに立つほうがやりやすくなります。

もちろん、利き腕でない方でポインタを扱えるのであれば、逆でもぜんぜんかまいません。

問題は身体がねじれてしまうことなのです。

そして、前を見て喋らないということにあります。

よくいますよね、スクリーンだけ見て喋る人や、PC の画面だけを見て喋る人。でも、これじゃいくら内容がおもしろくても伝わりません。

それにスクリーンを向くということは、聞いている人にお尻を向けるということですよ。わざわざ聞きに来ていただいているのに、その態度はあまりにも失礼というものです。

PC の画面を見ながら喋るのも同じです。どうしても視線は下に向くので、姿勢が悪くなります。

そうすると、声がでないのです。下を向いてしまうので声がこもってしまいます。

後ろを向いていても、声は通りません。

マイクがあるからいいではないかと思うかもしれませんが、それは間違いです。マイクがあろうがなかろうが聞いている人に直接語り掛けなければ伝わらないのです。

立ち方をどうするか

そんなことまで気にしていられないという方が多いと思いますが、これは非常に重要なことなのです。

プレゼンテーションをするのは、俳優が舞台の上に立つのと同じことなのです。あなたはプレゼンテーションという 1 人芝居を演じるのです。

舞台の上ではすべての動きは計算したものでならなくてはなりません。

とはいうものの、そこまで計算して動くことは私たちのような演劇の素人には無理というものです。

そうしたら、どうすればよいか。

簡単です。

動かなければいいのです。

直立不動がプレゼンテーションの基本になります。特に上半身はみだりやたらに動かしてはいけません (手は別なのですが、これについては後ほど)。

見本にしたいのは NHK のアナウンサーです。

普通にニュースを読むときは座られていることが多いですが、立って喋っていることもありますよね。

そういうときこそチャンスです。アナウンサーの方たちがどのような立ち居振る舞いをするかじっくり観察してみましょう。

特に記者の方と、あいだにディスプレイや資料などをはさんで立って話をすることがありますね。そんなときにアナウンサーの立ち居振る舞いと記者のそれを比べてみてください。

アナウンサーはそういう訓練を受けてきているはずですが、記者の方たちはいうなれば素人です (最近はそうでもない人も多いようですが)。

たとえば、テレビの画面で常に貧乏ゆすりのように身体を揺らしていたら、あなたはどう思いますか。なんか、非常に落ち着かない感じを受けますよね。

プレゼンでもそれは同じなのです。

立ち位置
よくいわれる立ち方
立ち位置
モデル立ち

足踏みをしたり、身体を左右に揺らしたりすることだけで、聴衆の聞く気をそいでいくのです。

私はそんなことしていないと思われるかもしれませんよね。一度、発表練習をビデオに撮って見てみませんか。自分が思っているよりも、はるかに多くの無駄な動きをしているはずです。

まずは無駄な動きをやめることからはじめましょう。

それには立ち方が重要な要素になります。

よく肩幅ぐらいに足を開いて立ちましょうといわれますよね。でも、この立ち方だと意外に動けるのです。

この立ち方は安定しているのです。しかし、安定している分、上半身が揺らいでもバランスをくずさずにいられるのです。これが逆影響をおよぼしてしまいます。

また、両足に均等に体重を乗せないでも立つことができてしまいます。

ということはからだは斜め ^^;;

私のお勧めはモデル立ちです。特に女性の方にはこれが一番いいと思います。ちなみにモデル立ちという用語があるかどうかはわかりませんが、モデルやコンパニオンの方たちがしている立ち方です。

どういう立ち方かというと、足のつま先を 60 から 90 度ぐらいに開いて立ちます。そして、左足を半歩下げて、その土踏まずのところに右足の踵をつけるようにします。

こうすると、まっすぐに立ったときにはピッとするのですが、少しでも上体が揺れるとすぐにバランスを崩してしまいます。

ということは逆に上半身を揺らすことができない立ち方でもあるわけです。

このたち方は、全身をすっきり見せてくれるという副作用 (?) もあります。上半身に比べて、下半身が細く見えるので全体として逆三角形になり、スリムに見せてくれるのです。

だからこそモデルの人たちがこの立ち方をするんですけどね ^^;;

さて、揺れないで立てたとしましょう。でも、1 人でプレゼンをするときに、どうしても必要な動きがあります。

それはスライドチェンジです。

演台があって、目の前に PC があるときならばいざ知らず、すこし PC を離しておかざるを得ないことも多々あると思います。

そういうときに、いちいち PC のところまで動くのは、結構見ているほうからするとうざいです。

では、どうしましょう。

こういうときは文明の利器を使いましょう。

私はコクヨのプレゼンテーション用のマウス EAM-ULW1を使用しています。これを使うことで手元でスライドの変更をすることができます。

これで気分はエグゼクティブです ^^;;

マウスとしてはかなり高価ですが、これがあるのとないのではプレゼンの仕方がとても変わってきます。部署で 1 つ持っておけばとても重宝しますよ。

これ以外にもプレゼンテーション用のグッズはあるので、探してみるのもいいかもしれません。

 

ポインタ

次にポインタについて考えて見ます。

今まで私が見てきた範囲ですが、日本人はポインタを使いすぎだと思います。ポインタはそんなに必要ですか?

ポインタは自分が何について喋っているかを指し示すために使うのだと思いますが、示さなくても分かることでも常にスクリーンを指している。そんな人が多いような気がします。

ポインタというと一般的には

  • 指し棒
  • レーザポインタ

に大別されると思います。

レーザポインタは個人的にはあまりお勧めできません。

どこを指しているか見づらいというのが一番の理由です。これに関しては、レーザの出力も上がってきており、また線や丸などが投影されるものなどが出てきているなど、テクノロジーで解決できると思います。

それよりも、私が気になるのはポイントしている点を固定しにくいという点です。レーザポインタは手のちょっとした動きでも、スクリーン上では大きな揺れになってしまいます。

緊張して手が震えたりすると、それがそのままあらわれてしまいます。

ということは、ポイントしている点がずれてないかを見ておいて、逐次修正しなくてはならないということにつながると思います。

ようするにスクリーンを見ていなければならないということですね。すると、どうしても視線は後ろに向き、からだも後ろに向いてしまいます。

ということで、レーザポインタはちょっといただけないのです。まぁ、これは個人差もあるとは思いますが。

次に指し棒です。自分が使うとしたらやはり指し棒を使うと思います。

でも、あまり使いたくありません。

なぜか。

指していないときに遊んでしまうからです ^^;;

私は無意識のうちに指し棒を伸ばしたり、縮めたり、ねじってみたりということをやってしまいます。

でも、これは見ているほうからすれば、気が散ることこの上ないと思います。

だからこそ、なるべく指し棒も使わないようにしています。

それにやはり指し棒でも指しているときに、スクリーンを向いてしまいがちです。何度も言及しているように、後ろを向いて発表することは言語道断なわけなのです。

資料を作るときになるべくポインタを使わなくても、どこについて喋っているかすぐに分かるような資料にしようと書きました。

そういう資料を作ったとしても、どうしてもポイントしないと分かりにくい場合もあるはずです。そういうときにだけポインタを使うように心がけてみませんか。

長くなってしまったので、後は後日。

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