2008/05/10

今日の一枚

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Neil Young "After the Gold Rush" (1970)

やっぱり、Neil Young。

このアルバムは櫻庭が Neil Young の最高傑作だと思っているアルバムです。セールス的にはこの次の Harvest の方が成功していますが、なんといっても After the Gold Rush ですよ。

ほんとにこのアルバム、何度聞いたか分かりません。Crosby, Stills, Nash & Young の Déjà Vu とあわせたら、もう敵なしです。奇しくも、この 2 枚のアルバムは両方とも 1970 年にリリース。録音していた時期もかぶっていたはず。ノリにのっていた時代なのでしょう。

このアルバムはバラエティに富んでいて、散漫な印象を与えかねないのですが、それもまたよし。カントリーから、フォーク、バラード、ハードなロックと Neil Young のさまざまな面をかいま見ることができます。

1 曲目の Tell My Why は典型的なカントリー。1 拍目でベースを弾いて、その後の拍でストロークという、カントリーでよく使われる奏法です。

バックの Crazy Horse の面々とのハーモニーも決まっています。

次の After the Gold Rush はピアノが印象的なバラード。ほとんど、ピアノの弾き語りなのですが、間奏のホルンがまたいいんです。Neil Young が細い声を絞り上げて歌っている姿が見えてくるような曲です。

とはいうものの、歌詞は意味がよく分からないんですけどね ^ ^;;

Only Love Can Break Your Heart はラブソングみたいなタイトルですけど、歌詞を見てみるとそうでもないんですよね。シンプルなバックにのせたハーモニーが美しい曲です。

Oh Lonesome Me は Neil Young の曲ではなくて、Don Gibson と Cet Atkins が歌っていた曲です。とはいうものの、オリジナルは知らないのですが...

Don't Let It Bring You Down は Neil Young の高くて細い声を絞り出したようなボーカルが秀逸。彼の声は決してボーカル向きではないと思うんです。しかし、それを逆手にとって、短所を長所に変えてしまっていると思うのです。

Birds はピアノのバラード。Neil Young はピアノも弾くのですが、決してうまくない。ほとんどコード弾きで、素朴な感じです。しかも、とてもライブな音。ソリッドでぎゅっとつまった感じはまったくなく、開放感があり明けはなったような音。こういう音にはシンプルなサウンドがよくあいます。

最後の Cripple Creek Ferry はちょっとふざけたような、とっぽいサウンド。こういう曲は Neil Young によく似合います。ふざけているわけではないんですけど、なんか楽しそうな雰囲気が伝わってくるような小曲です。

さて、わざと抜かしたのですが、このアルバムの中で最も櫻庭がすきなのは、なんといっても Southern Man。

なんか出だしを間違えてしまったのではないかと思うぐらいの、はじめの半拍がミュートしたような音ではじまるこの曲。なんといてもリフがかっこいい。

ハンマリングを多用したリフで、ギターとピアノのユニゾン。これだけでも、すごいカッコイイ。

そして、ギターソロ。決して音数が多いというわけでもなく、訥々と弾いている感じですが、指から値が吹きでてしまうのではないかと感じの重いソロ。

彼の初期のころのギターソロの特徴である、単音ソロもしっかり入っています。単音ソロというのは、延々と同じ音だけを引き続けるだけのプレイ。

同じ音だけなので、単調に聞こえそうなのですが、そんなことは全然ない。しかし、同じフレーズを何度も何度も繰りかえしていく奏法とあわせて、より効果を増しています。CSN & Y の 4 Way Street ではアコスティックバージョンもありますが、なんといってもエレキがいいですね。

同じく、4 Way Street にはエレキバージョンも入っていて、こちらは Stephen Stills とのソロの駆け引きがあって、それはそれでとてもカッコイイのですが、やっぱりオリジナルがいい。

ほんとに何度も聞いていますけど、いいですよ。

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